中国会計税務の基礎知識

中国の会計

中国の会計システムの最高階層に位置するのが、「会計法」ですが、現行の「会計法」は、1999年10月31日に公布され、翌年の7月1日から施行されたものです。

  1. 国家機関、社会団体、企業、事業単位とその組織は、「会計法」により会計処理をしなければなりません(会計法2条)
  2. 更に、各単位は法に依り会計帳簿を設置し、かつその真実を保証するよう、完璧に整える必要があります。(会計法3条)
  3. 単位の責任者は、その単位の会計業務と会計資料の真実性に対し、完全な責任を負います。(会計法4条)
  4. 事業年度は1月1日から12月31日と定められております。(会計法11条)
  5. 事業年度に発生した経済業務に基づき会計計算を進めることになります。(会計法9条)
  6. 単位は、会計機構を設置し、会計人員を置き、会計主管を指定しなければなりません。設置条件が不備な場合、批准された記帳代行会社に、代理記帳を委嘱しなければなりません。(会計法36条)
  7. 出納人員は、会計監査人を兼務できません。会計保管文書の保管、収入、支出、費用、債権、債務を記帳します。(会計法37条)
  8. 会計主管人員は、会計従事資格証書の取得の外、さらに会計士以上の専業技術職務の資格に3年以上の経歴を必要とします。

やさしい会計監査

財務会計報告は、会計報告表、会計報告表の備考、財務状況説明書により構成されています。財務編成の根拠を一致させなければなりませんので、注冊会計師監査を受けたものであること、および、注冊会計師と所属する会計師事務所の発行した監査報告書を財務会計報告書に添付しなければなりません(会社法20条)

財務ソフトと備案(べいあん)

企業が会計システムを導入する場合は、財政局に「財政備案」と呼ばれるシステム認定を受ける必要があります。上海などの都市では、財政局の金審システムによるデータチェックプロセス(財務帳票や会計データ等のチェック)に合格する必要があります。
"用友ソフト"や"金蝶ソフト"を使うと、備案(べいあん)の必要がないといわれておりますが、"用友ソフト"や"金蝶ソフト"は導入例が多いこともあり、備案(べいあん)がなくても大きな問題にはならないだけのようです。

やさしい増値税

増値税は、物品の販売や加工等の役務の提供に際して付加価値に対して課する税で、売上高に係る増値税から仕入高に係る増値税を控除して算出します。日本の消費税に当たりますが、中国税収の主要な税源になっています。
税率は17%が原則ですが、13%の低税率が適用される取引もあります。申告は毎月行いますが、1日、3日、5日、10日、15日を課税期間とすることもあります。

やさしい営業税

営業税は、指定された営利事業、経営行為に対して課される税で、課税営業額に業種ごとに定められた一定の税率を乗じて算出されます。指定された営利事業とは、中国国内における課税労務の提供、無形資産の譲渡、不動産の販売をいいます。
税率は5%適用が多いのですが、他に3%と20%があります。申告は毎月行いますが、5日、10日、15日を課税期間として申告することもあります。

やさしい消費税

消費税は、指定された物品、消費行為に対して課される税で生産、輸入の段階で課税される個別消費税です。日本の消費税とは違います。
タバコ、酒、化粧品、金、銀、ダイヤモンドなどの装飾品、ガソリン、自動車、自動車タイヤなどに課税されます。申告は、毎月行いますが1日、3日、5日、10日、15日を課税期間として申告することもあります。

やさしい企業所得税

企業の所得に対して課税される税ですが、日本の法人税に当たります。毎年1月1日から12月31日を事業年度として所得計算を行ない、翌年の4月末までに申告することになっています。税率は25%です。
予定納税を毎月または四半期毎に行なうことになりますが、その都度、税務機関に会計帳簿と予定申告書を提出しなければなりませんが、前年納税額による予定納税ではなく帳簿による申告納税になります。

やさしい個人所得税

居住者と非居住者である個人に所得に対して課される税です。
居住者については、中国国内、国外から取得した所得に対して課され、非居住者については、中国国内源泉所得に対して課されます。中国の個人所得税の特徴は、所得を給与所得、利子配当、財産譲渡などの11種に分類して課税する方式であることから、税率も所得の種類ごとに定められています。
給与所得に係る個人所得税は、毎月申告します、日本と同じ形式ですが、源泉所得税は仮払いではないし、年税額方式ではなく月税額として毎月確定することになります。

権責発生制

"権責発生制"と"発生主義"について教えて下さい。
"権責発生制"は発生主義と訳されますが、"日本の発生主義"と同じ意味に取ることには無理があるように思われます。あえて言えば"中国の発生主義"になると思います。現金の収入及び支出に関係なく、経済価値を費消した事実の発生をもって費用、収益を認識するものですが、中国の実務上は"権責発生主義"は「発票」の発生、発行・受領をもって費用、収益と認識されているようです。
解説

"発生主義"は、商品・サービスの提供、具体的には引渡日などをもって収益、費用を認識するには納品書、請求書などのバウチャーが重要になりますが、中国では納品書、請求書を活用する習慣がありません。そこで、発票管理弁法に基づく発票が出てくるのですが、"権責発生制"は商品・サービスの引渡、費用の認識を「発票」の発生、受領をもって行うもののようです。

専管員・税務局

専管員の役割を教えて下さい。
専管員は税務局の窓口となり納税者を指導する立場にある税務局員のことをいいます。
解説
  1. 税務の最前線にいるので税務局を代表するように見えます。
  2. 税法解釈を行う権限はないが税収ノルマを持ち税務行政の最前線で活躍しています。
  3. 納税に関して会社の経理担当者の相談に乗ってくれます。
  4. 専管員の行う税法解釈、税法判断に責任を負わないが、それなりの権限があります。
  5. 専管員とコミュニケーションを良くとり上手に指導を受けることです。